技術開発

今のニーズとその先を見据えた、さらなる技術の高度化を目指します

当社は、地盤・地下水・建物の分野において、長年に渡り技術の蓄積と開発を重ね「技術力」で維持・発展してまいりました。
当社では、山梨県上野原市に技術研究所を構え、様々な調査機器の開発に取り組みながら、さらなる技術の高度化を目指しています。技術研究所には、地下水圧環境や温度環境を模擬できる試験孔や設備を設け、調査機器の実証試験などを行うなど、実務に即時対応可能な体制を整えています。

サービス・事例

1. 独自技術で自社開発した低価格・高精度の地下水流向流速計

地下水流向流速計は、地下水の流れる方向(流向)と速度(流速)を1本のボーリング孔内で同時に計測できる特殊機器です。
この流向や流速は、「電位測定法」を元にした当社独自開発の装置によって高品質に計測することができます。
その計測は、高精度かつ低流速(1.0E-5cm/sec)まで測定が可能です。
国内において、この精度の計測を実現することができるのは、当社装置しかありません。
さらに、一人で計測できるポータブルな形状に改良したことによって、高精度でありながら低価格を実現しました。

適用範囲

  • 測定方式:電位測定
  • トレーサ:蒸留水
  • 流速測定範囲:ダルシー流速 1.0E-02~1.0E-5cm/sec
  • 大深度水理試験装置
  • 測定深度:最大100m
  • 適応孔径:観測孔:VP50以上
  • 観測孔:60.5mm以上

活用事例

  • 地下水汚染の流動予測
  • 土木工事に伴う周辺地下水への影響をモニタリング
  • 地すべり地での地下水流動を詳細に把握
  • ダムやため池などで漏水の有無を調べたい
  • 岩盤中の地下水流動など、低流速まで精度良く測定したい
  •  
  • 計測装置

  • 計測状況

  • 2. 地層処分技術も支援する大深度・岩盤で培ったフローメーター検層

    地下水は、地盤や岩盤中の高透水性部を流動するので、水理地質構造を評価するためには地下水の流動経路(水みち)となる割れ目や破砕帯等の状態の分布を把握する必要があります。
    当社では,水みちとその状態の対比を確実かつ容易におこなうため、ボアホールカメラを搭載したフローメーター検層装置(以下、BTV機能付きフローメーター検層装置と記載)を開発し運用しています。
    本装置は、電磁流量計とBTVカメラが一体化した検層装置のため、1度の検層で流量結果と孔壁画像のデータを得ることができ、精度の高い水みちの同定が可能です。
  • 検層装置

    検層装置

適用範囲

  • 最大適用深度:500m
  • 孔径:φ66~250㎜
  • 流速測定範囲:1~6000mm/sec
  • カメラの適用孔径:φ60~120㎜

活用事例

  • 浸透特性の把握(水みち検出)
  • トンネル、地層処分、地下水汚染、地すべり等の地質調査
  •  
  • 計測概念図

  • 計測結果

  • 3. 種々の条件下で安定した計測を実現している光ファイバー計測技術

    通常用いられる既存の電気式計測器は、落雷、湿度による断線が起きやすく、頻繁なメンテナンスが必要です。
    そのため、長期間のモニタリングには不適であるとされています。
    光ファイバー計測は電気配線がないため、落雷、湿度に強く、加えて河川堤防や道路、鉄道に平行敷設された光ファイバー通信網を活用でき、広範囲計測や長期耐久性の実現が可能です。
    1. センサ内に電子部品が不要 (落雷で故障しない)
    2. 計測機器から数10kmまで測定が可能 (広域観測)
    3. 1本の光ファイバで複数のセンサを計測可能
    4. 石英ガラスのため耐腐食性が高い (長期耐久性)
  • 光ファイバー

    光ファイバー

当社の光ファイバー計測の強み

当社では、光ファイバー技術を存分に活用し水位計、変位計、圧力計に応用した計測を実施しています。
さらに、当社が大学と共同で開発している新型の土壌水分計にも応用し、データ計測の他、データ通信などにも幅広く応用しています。

大水害で注目されている河川堤防においても、堤防内水位計測データは、落雷と豪雨に見舞われながら過去10年以上の長期計測を実現しています。
今まで余り計測されてこなかった豪雨時の河川水位と堤防内の水位の関係も計測されており、河川堤防の安全性管理を行う上での貴重な情報を提供しています。

活用事例

  • 岡山県 高梁川河川堤防内水位観測(2006年から2019年現在も継続観測中)
  • 光式水圧計を利用した河川堤防での地下水位観測の一例

    光式水圧計を利用した河川堤防での地下水位観測の一例

  • 光ファイバーを利用した層別沈下計の一例

    光ファイバーを利用した層別沈下計の一例

4. 地域全体をモデル化。多様な条件を高度に処理する当社の数値解析技術

今まではできなかった地域全体をコンピュータの中にモデル化し、超多数シナリオを計算する。
多量に出力されるデータを効率よく処理する。当社は、これからの数値解析ニーズに答える解析ツールを揃えています。

特長

数値解析対象は、当社が得意とする地盤と構造物が相互に関わる問題です。
例えば、地震による地盤の変形と構造物の関連を予測する解析(地盤変形解析、液状化解析)や地下構造物に関わる地下水の流れの影響を予測する解析(浸透流解析)など、多くの複雑問題を解決できる情報を数値解析によって提供しています。

活用事例

  • 山間部を貫通する道路トンネル湧水による周辺地下水への影響を予測した広域不飽和浸透流解析
  • 東京都の1つの区を丸ごと対象に、地震と液状化による地盤沈下を計算、地域の災害リスク予測をした広域解析
  • 化学プラントの油汚染の広がりとその防止対策を提案した広域移流拡散解析

広域地盤の液状化と地盤変形シミュレーション

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