今回は、「天然温泉のつくりかた・掘削編」についてのお話です。
前回温泉の定義について、
地下(井戸)水の水質が温泉法で定められた条件(定義)をクリアしていれば、
天然温泉と呼ぶことができる、とお話ししました。
では、今すでにある井戸や、別の目的で掘削した井戸の水質を検査して、
温泉法で定められた条件をクリアしていれば、
天然温泉と呼ぶことができるのでしょうか。
答えは、ノーです。
前回も少し触れましたが、天然温泉とは、
「温泉掘削許可を得たうえで温泉井戸を掘削し、そこから湧出される地下水が
温泉法で定められた温泉の条件(定義)を満たしているもの」
を指します。
ですので、仮に今すでにある掘削許可のない井戸から
条件の一つである水温25℃以上の地下水が確保できても、
天然温泉と呼ぶことはできません。
温泉掘削の許可申請で提出を求められるものは、
都道府県によって多少異なりますが、概ね以下のような項目です。
① 申請者について
② 掘削計画地及び掘削地点について
・敷地境界から3~8mの離隔距離が必要です。
③ 土地所有者について
④ 温泉井戸の深度や口径について
⑤ 温泉の利用目的や計画について
⑥ 計画地の近隣源泉との距離や位置関係について
・都道府県によっては設定した近隣源泉との離隔距離により、
近隣源泉所有者の同意書の添付が必要となったり、揚湯量が制限されたり、
掘削許可が下りない(申請自体を受け付けてもらえない)場合もあります。
その離隔距離は500m~3km程度、都道府県によってさまざまです。
⑦ 掘削地点の選定理由書
・なぜこの場所を掘削するのか、つまり
「この場所で温泉が出るだろうと考えた」理由です。
一般的には、事前に実施する地下の地層調査(電磁波・放射能探査等)結果を
添付することが多いです。
また、温泉掘削許可について、こんなお問い合せを頂くことがあります。
Q: 温泉掘削許可取得後に、同じ計画地(敷地)内で掘削地点も変更してもよいか?
答えは、ノーです。
温泉の掘削許可は、計画地に対してではなく、
掘削地点に対して出されるものなのです。
同敷地内でも掘削地点が変更となると、
再度その地点で掘削許可を得る必要があります。
掘削工事の前後に掘削地点の位置を現場まで確認にくる都道府県もあります。
その他にも、温泉掘削許可申請書には、
温泉掘削工事の施工方法や掘削機材の資料の添付も必要となります。
地域によっては、
工事中に温泉井戸内から可燃性天然ガスが噴出し爆発する、といったことも懸念されます。
温泉掘削をお考えの際には、
弊社のような専門業者にご相談の上、
計画されることをおすすめします。
以上、今回は「天然温泉のつくりかた(掘削編)」についてのお話でした。
(参考資料)環境省「温泉法第3条における掘削許可について」
今回もお読みいただきありがとうございました!
<井戸や温泉掘削に関するご相談はコチラまで>
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |