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温泉のおはなしⅡ

こんにちは!

井戸おやじこと、
アサノ大成基礎エンジニアリング
杉山明です!

今回は前回お話した温泉についての
パートⅡのお話をしてみたいと思います。

さて、おやじは、これまで北海道から沖縄にかけて
多くの温泉を掘ってきましたが、
"掘って~掘って~掘りまくれ~"
(今では知る人の少ない昔の社歌の一節)
もともと出身は万葉集に歌われる湯河原という温泉町です。
子供の頃は、温泉と聞けば、地下深くのマグマから
湧き出す神秘だなあという印象でした。

昔は温泉の水は、マグマの中に含まれる水分、
初生水が起源であると考えられていましたが、
今では温泉水は、降った雨や雪が地下にしみ込んで地熱で
温められた地下水、循環水の一種であることが分かってきました。

地下水のうちで、温度の高い水が温泉であり、
日本の温泉法では、水温25℃以上の地下水を温泉と
するほかに、25℃以下でも一定量以上の指定された
溶存成分を含んでいれば、その水を温泉としています。
日本の地下増温率は、深さ100m当たり平均3℃ですから、
500mも掘れば温泉が出る計算になり、
温泉探しすらそう難しい仕事ではないとも言われます。

そうは言ってもこれには条件があって、地下水の容れもの
である地層が岩とは違う未固結から半固結の地層であり、
多孔体中の流れとして、扱える場合です。
日本では海岸平野などの地層がそうです。
非火山性の多くの温泉がこのタイプになります。

一方、間隙の分布が著しく不均一で、岩石のように
間隙が割れ目や空洞のような構造を持つ場合には、
亀裂系の流れとなり、数学的な取り扱いが難しいと言われます。
火山性の山間部の温泉がこのタイプです。

温泉も含め地下水の流速は、川の流速が、
「秒速」数十cmから数mであるのに比べ、
その流速は、「年速」数mから数百mであり、
著しく遅いとされています。

循環水である地下水の場合、滞留時間とは降水が
地下浸透して、地下水となったのちに流出するまでの
時間のことであり、「地下水の寿命=年齢」のようなものです。

地下水の年齢は、地質条件や地下水の存在形態によって
大きく異なり、世界と日本でも違いがありますが、
日本では数十日から数千年といわれています。

地下水の一種である温泉の年齢は、一部に化石水が温泉に
なった古いものもありますが、多くのものは数日から数カ月と
以外に若く、河川の水に似ているとも言われています。

おやじが担当するニセコ地域で言えば、
この地域における温泉湧出量と降水量の
関係についての研究報告(2011)等もありますが、
温泉を含む地下水循環の見方で、
降水→涵養→浸透→地下水流→地下水流出→河川
に至る大雑把な流れを考えてみます。

日本での地下水涵養量は、
地下水が河川に流れ出る水量(地下水流出量)
=河川の渇水流量にほぼ等しく、
全国平均値は1.1mm/日とされているほか、
別の文献によっても、その土地の地質、地表の被覆条件、
補給源となる降雨量や降雪量とも大きく関係するけれども、
地下水涵養量は平均1mm/日程度と言われています。
倶知安町の降水量は1,500mm/年程度ですから、
降水量の内訳は大体次のように仮定できます。



地下水涵養量を1mm/日として求められる涵養量は、
1km四方の範囲で、1,000m3/日となります。

     【ニセコひらふ地域集水域概略図】

この地域の集水域を地形の分水嶺で囲まれた範囲と
考えた面積として計算すれば、その一部である「保護地域」と
「準保護地域」での地下水(温泉水)涵養量には限界があり、
規制の順守とモニタリングを継続するとともに、
利用する方々それぞれが自主的に温泉資源の保護に
取り組んでいく必要があります。

さて、6月末現在、
北海道日本ハムファイターズ(新庄監督)の成績は
ダントツの最下位(予想どおり?・・・)ですが、
監督が変わったからって簡単に良くなるわけではありません。
稲葉ゼネラルマネージャーにも頑張っていただき、
数年かけて必要な補強選手の獲得をお願い致します。
一方、常識はずれの戦法とも言われながらも、
新庄流で若手の躍動も目立っています。
イチファンとして長い目で見守っていきたいと思います。
ガンバレ、ファイターズ!!

最後に、温泉開発を通して知り合った日本語の上手な
外国人の方々と英語が全く苦手のおやじが「ニセコの
キセキ」とも言われるこのブームが真のアジアのリゾート地
に生まれ変わっていくことを期待し、これからもコミュニケ
ーションに四苦八苦しながら、引き続き一緒にお仕事を
させていただければなあと思っています。

今回もお読みいただきありがとうございました!
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