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地中熱ヒートポンプを活用した省エネについて


こんにちは!


井戸おやじこと、アサノ大成基礎エンジニアリング の杉山明です。

東京ではそろそろ桜の便りも話題になる頃ですが、
札幌はまだまだ雪の中です。
3月は卒業式や転勤移動のシーズンでもあり、
別れと共に新しい土地で頑張っていこうとされる方も
多いのではないでしょうか。

おやじの周りでも毎年、何人かの方が転勤辞令が下り、
東京や大阪に行かれます。
というわけで、3月は送別会も多く、飲み会のシーズンです。

・・・なんだ?・・おやじはただ飲みたいだけかも?

おやじももう少しまじめに「仕事」にエネルギーを注げば良いのですが、
やっぱり、「すすきの」にエネルギーが漏れてしまいます。
相変わらず懲りない性格は変わらないかなぁ・・?
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【活イカのお刺身で一杯・また今夜も~?】

ところで、先月の雪まつりの大雪像でも取り上げられましたが、
今月の2016年3月26日に、
いよいよ北海道新幹線が開業します。

今はとりあえず函館までですが、その先のニセコ、
さらには札幌までの延伸が計画されています。
おやじも札幌~東京間の新幹線に乗れるでしょうか?
何とか元気で乗りたいものです。

新幹線建設による経済効果は、北海道経済を支える事業の
ひとつとなっていますが、おかげさまで弊社でも
現在、札幌延伸までのルートでお仕事を
させていただいております。

今回は、弊社でも温泉熱地熱利用と並んで、
取り組んでいる地中熱について取り上げてみました。

地中熱とは
  地中熱とは地下の恒温層以深から得た熱エネルギーのことで、
  これを冷房や暖房に利用することから政府のエネルギー基本計画
  において再生可能エネルギーとして認められています。
  ここで、恒温層とは何でしょう?
  恒温層は、だいたい地表から10m~15mの深さに見られます。
  気温等の影響を受けず、年間を通して地温の変化がほとんどなく一定です。
  そして、その地温は地域の平均気温にほぼ等しいとされます。
  (井戸水が、夏は冷たく冬は暖かく感じる理由です。)
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        環境省地中熱パンフレットより

最近では、羽田空港新国際線ターミナル、
東京スカイツリーおよびJPタワーなどにも
地中熱システムが導入されています。

それでは、なぜ地中熱が取り上げられるのでしょうか?

それは、地中熱利用が二酸化炭素および冷暖房費の削減や
ヒートアイランド現象の低減に効果が望めるからです。



なぜでしょう。



上記のように地中熱は、温度変化の大きい空気熱ではなく、
温度変化の少ない恒温層以深の地下の熱を利用します。
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環境省地中熱パンフレットより

すなわち、上図に示すように地中温度が15℃程度
(東京都の年平均気温:15.4℃)とすると、
夏季は室温を下げるのに30℃の外気ではなく
15℃の地中熱が活用できます。
また、冬季は0℃の外気ではなく
15℃の地中熱が活用できます。

それでは、地中熱を利用するには、どうすれば良いのでしょうか?
環境省では地中熱の利用形態として、以下の5つの方法を挙げています。

①ヒートポンプシステム
②空気循環
③熱伝導
④水循環
⑤ヒートパイプ

以下に詳細を紹介します。

①ヒートポンプシステム
エアコンにも使用されているヒートポンプの熱源として
空気熱ではなく地中熱を利用するもので、地中に埋めた管内の
不凍液を循環させるクローズドループと地下水を汲み上げて
利用するオープンループがあります。
 オープンループは地下水使用条件に左右されることもあって
 クローズドループの施工数が圧倒的に多いです。
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環境省地中熱パンフレットより

②空気循環
地中に埋設した熱交換パイプに外気を導入・通気し、
熱交換された空気を室内に取り込みます。
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環境省地中熱パンフレットより

③熱伝導
土間床を介した利用方法で、地中から伝わる熱によって、
住宅内の保温を行います。
一般に、暖房や除湿につてはエアコンを併用します。
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環境省地中熱パンフレットより

④水循環
 クローズドループは、地中熱交換井に熱交換器を挿入し、
これと路面に埋設した放熱管との間に不凍液等を循環させ、
路面融雪・凍結防止を行います。オープンループは、
地下水を揚水し、それを路面に埋設した放熱管に通水させる方式です。
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環境省地中熱パンフレットより

⑤ヒートパイプ
冷媒の蒸発と凝縮で熱を流動させるシステムで、
深さ15m~20mの熱交換井に冷媒が封入されたヒートパイプを
数本挿入し、その上部を路面下に放熱管として埋設します。
降雪時など路面温度が低下すると冷媒が自然に液化と蒸発を繰り返します。
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環境省地中熱パンフレットより

2013年末までの施工実績は、
①ヒートポンプシステム
②空気循環
④水循環
の3方法で全体の80%以上を占めています。
ここでは一般家庭でも比較的施工実績の多い
①ヒートポンプシステム(とくにクローズドループ
について詳細を述べます。

ヒートポンプとは、読んで字のごとく熱を移動させる
ポンプのことです。
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環境省地中熱パンフレットより

冷房時と暖房時で回転方向が変わります。
それによって地中に放熱するか、採熱するかが決まります。
地中熱ヒートポンプを導入すると、冷暖房などの熱を交換する
システムが高効率化し、省エネルギーの効果が得られます。

これは、地中熱の温度が通年で安定しており、
地中熱と外気との夏冬の温度差があること、
また、熱源温度が同じ場合でも、同じ容積の空気に
対して水は約3500倍の熱を蓄える、
つまり小さな容量でより多くの熱を蓄えること等によります。

このことから、地中熱ヒートポンプは熱効率が高く、
従来の空気熱源ヒートポンプ(エアコン)と同等以上の
成績係数(COP)が期待できます。

特に、エネルギー消費量に占める割合が大きく、
かつ灯油、都市ガス等の燃焼熱を直接熱源として
使用することが多い暖房・給湯は、小さな電力量で済む
地中熱ヒートポンプを利用することで、
大きな省エネルギー効果を得ることができます。

地中熱、風力ほかいくつかの再生可能エネルギーは、
エネルギー利用の上で石油、石炭、原子力に比べれば、
まだまだ利用比率が低い存在です。

誰もが再生可能エネルギーは環境にやさしいエネルギーと
思えるのですが、なかなか利用が進みません。
国のエネルギー政策も細かいところで、
結構、早く見直しが行われるので、
これまでもらえていた補助金がもらえなくなるなど、
民間事業者の計画も途中で変更を迫られる
といった事例も見聞きします。

電力事業は発送電分離が叫ばれており、素人考えですが、
送電ネットワークがドイツのように整備され、
様々なエネルギーが補完し合って全体として
安定したエネルギーが供給されれば良いと思えるのですが。

・・・やっぱり、なかなか変わらないかなぁ・・・?



今回もお読みいただきありがとうございました。

by井戸おやじとその愉快な仲間達でした。

2021年10月

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