こんにちは!
井戸おやじこと、アサノ大成基礎エンジニアリング
の杉山明です!
またまた久々ですが、元気でーす!
先日は
「井戸おやじディズニーランドに行く!」
ということで、なぜか写真のような一コマ
とあいなりました。
札幌ではすでに平地でも雪が降りましたが、
15年ぶりに訪れたディズニーランドは暖かったです。
スーツを着て、
ジェットコースターで遊ぶはずもなく、
一応、お仕事の話で札幌から出向きました。
そのお話は、後日、機会がありましたらすることにして、
今回は『地下水に関係する法律』のお話をご紹介します。
地下水に関する法律については、
かつて地下水は公水か私水かという
大激論などもあり、法制化が検討
されたことありました。
しかし、水利権問題などがあり、
なかなか実りませんでした。
これが、中身はともかくとして、
昨年、地下水を含めた
「水循環基本法」
として国会を通過しました。
この「水循環基本法」は、
平成26年4月2日に公布、
7月1日に施行されました。
その概要を以下に紹介します。
(1)我が国のこれまでの水事情など
①わが国の地形・気候特性と水
1.年間降水量は、約1700㎜
(世界平均の約2倍)
2.降水は、地域的・季節的に偏っている。
3.地形が急峻で降雨が一気に河川に流出する。
(洪水が発生しやすい。)
4.都市・農地の多くが河川による沖積平野上
にあるため、災害(洪水)を受けやすいことから、
この被害を軽減しながら水による恩恵を享受する
努力をしてきた。
②社会の発展と水
古来より、流域の上流と下流との間で
水利用に係る争いと調整があった。
このような水利秩序の形成を通じて、
農業用水は流域内で繰り返し利用されるなど
水循環が形成されてきた。
近代では、急激な社会経済の成長期に
工業地帯等において地下水の過剰な汲み上げ
による地盤沈下や生活排水・工場排水
による水質汚濁が深刻化した。
近年では、法律や条例による採取規制等による
地下水保全対策により、大きな地盤沈下は
見られなくなった。
また、下水道設備の普及や工場等の
排水規制の強化等により、
河川・湖沼・地下水等の水質は、
全体として改善されてきた。
(2)水循環基本法の目的
水が人類共通の財産であることを再認識し、
水の健全な循環がもたらす恩恵を、
河川の源流から河口、海域に至る
すべての地域の国民が将来に
わかって享受できるよう維持し、
又は回復するための施策について、
多くの関係者の参画の下、推進していく。
人為とそれが及ばぬ自然営力が総合して
健全な水循環が維持又は回復されるよう
水循環に関する施策を総合的かつ一体的に推進する。
(3)定義
◆水循環の定義
水が、蒸発、降下、流下又は浸透により、
海域等に至る過程で地表水又は地下水として
河川の流域を中心に循環すること。
◆健全な水循環
人の活動及び環境保全に果たす水の機能が
適切に保たれた状態での水循環。
(4)水循環政策本部
水循環に関する施策を集中的かつ総合的に
推進するため、内閣に水循環政策本部
を設置します。
水循環政策本部長:内閣総理大臣
副本部長:内閣官房長官
水循環政策担当大臣
(現在は、国交大臣)
本部員:本部長、副本部長以外の
すべての国務大臣
◆水循環政策本部の業務
①水循環基本計画の策定
②関係行政機関が実施する施策の総合調整
③水循環に関する施策で重要なものの
企画及び立案並びに総合調整
水循環基本法に関する施策は、
5年ごとに見直すことになっている。
(5)水循環基本法の基本理念
①水循環の重要性
循環の過程において、水は地球上全ての生命に
よって不可欠のものであり、古来、人々の営みの
基礎として社会・文化の繁栄を支えてきた。
そのため、健全な水循環の維持又は回復のための
取組が積極的に推進されなければならない。
②水の公共性
水は国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いもの
であることから、すべての国民が水の恩恵を将来に
わたって享受できることが確保されなければならない。
③健全な水循環への配慮
水の利用に当たっては、水循環に及ぼす影響が
回避され又は最小となり、健全な水循環が維持
されるよう配慮されなければならない。
④流域の総合的管理
水は、循環の過程において生じた事象がその後の
過程においても影響を及ぼすものであることに鑑み、
流域として総合的かつ一体的に管理されなければならない。
⑤水循環に関する国際協調
健全な水循環の維持又は回復は、人類共通の課題
であることから、水循環に関する取組の推進は、
国際的協調の下に行われなければならない。
(6)各主体の責務の明確化
②国の責務
基本理念にのっとり、水循環に関する施策を総合的
に策定し、実施する責務。政府は、毎年、国会に
水循環に関して講じた施策に関する報告を提出
しなければならない。
②地方公共団体の責務
国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、
自主的・主体的に、その地域の特性に応じた施策を
策定し、実施する責務を有する。
③事業者の責務
その事業活動に際して、水の適正利用・健全な
水循環への配慮に努めるとともに国又は地方公共団体が
実施する水循環に関する施策に協力する責務を有する。
④国民の責務
水の利用にあたって、国又は地方公共団体が
実施する水循環に関する施策に協力するよう努める。
(国や地方自治体が策定する施策に住民参画が求められる。)
(7)水循環基本法によって変わること
①河川水は公水(河川法)であったが、
地下水は土地所有者のもの(民法)とされてきたが、
基本法によって、地表水も地下水も水循環の一部となり
「水は国民共有の財産であり公共性の高いもの」
と位置付けられた。
②健全な水循環の重要性についての理解と関心を
深めるため8月1日を「水の日」とし、
国及び地方公共団体は水の日にふさわしい事業を
実施することになる。
水の日:1997年に「水の週間」に合わせて制定された。
(年間を通じて水の使用量が多く、水についての
関心が高まる8月の初日という理由で決定された。)
③これまで利用目的ごとに区分し管理していた
水行政(下表参照)が、流域として総合的かつ
一体的に管理することになる。
<これまでの水行政>
河川・・・・・・国土交通省
工業用水・・・・経済産業省
農業用水・・・・農林水産省
そのため、必要な体制の整備を図ることにより、
連携及び協力の推進に努める。
これにより、流域間での連携を進め、
将来的には流域全体で管理運営する。
④水の貯留・涵養機能の維持及び向上を図るため、
森林・河川・農地・都市施設等の整備その他必要な
施策を講ずる。
これにより、海外資本による水源林近くの土地買収に
歯止めがかかる可能性がある。
(8)今後の課題
水循環基本法により今後の水行政がどのように
展開していくのかという問題は、基本法をどのように
運用していくのかと同じと考えられます。
一例として、これまで地下水に対する規制は、
地盤地下対策が主要目的でした。
これが、地表水も含めた流域全体における
循環系で考えたとき、国として実効性のある
基本計画の策定や総合調整が行えるかがカギとなるでしょう。
どうでしょう?少し堅苦しい話になってしまいましたが、
水行政の方向性を示しているように思います。
・・・とまじめに考えたところで、
いつものようにおやじは痛風を気にしつつも、
暗くなるのが早まり、夜が長くなったススキノ
へと今日も出かけることにします。
そのうちに楽しいススキノの話題も掲載
できるようになるかも知れません?
・・・お楽しみに!!
今回もお読みいただきありがとうございました。
それでは~~
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