こんにちは!(o≧▽゚)o
毎日元気ハツラツ!井戸おやじこと
アサノ大成基礎エンジニアリングの
杉山明です。
少しずつ暖かくなってきましたね。
札幌では5月の終わり頃になると、
「リラ冷え」と呼ばれる
冷え込みがあります。
リラとはライラックの花の事。
5月下旬でも季節が冬に逆戻りしたような
寒さの事をリラ冷えと言います。
さて、先月、新入社員研修があり、
東京に行ってきました。
そのとき、
井戸おやじに会いたいという
お話があり、お客様を訪問しました。
おやじとしては本当のところは、
お会いしないで、ブログ上で見て
いただくだけの方がよい・・・
会ってみたらイメージと違うなど、
マイナスの不安を抱いていました。
お会いしてみると、
なぜか昔からお互いに知っているか
のような不思議な感覚があり、
つい、話にのめり込んでしまいました。
後で失礼がなかったかと
心配になりました・・・
最近、お客様とお会いし、
「ブログを見てます」と聞くと、
ありゃ・・・と身体が小さくなります。
「井の中の蛙(かわず)、大海を知らず」
・・・井戸しか知らないおやじです。
ところで、今回は「地盤沈下」の
話題を取り上げてお話したいと思います。
「井戸を掘りたいが」
という相談を受けた時に、
よく聞かれるのですが、
「井戸を掘って水を汲み上げたら
地盤が沈下するのでしょうか?」と。
ここで一度、
地盤の沈下の現象を簡単に
整理しておきたいと思います。
① 地下水の過剰揚水による広域的沈下
② 地下掘削時の排水による周辺の沈下
③ 建物荷重等(上載荷重の増加)による沈下
④ 地震による地殻変動による沈下
などが考えられます。
最後の地震による沈下は、
一昨年の3.11東北の震災
でも発生しましたが、
海岸部の陸地が海側に引っ張られて
数メートル沈下するケースです。
このケースは過去に何度も起こっており、
おやじもよく知らなかったのですが、
四国の高知平野は、繰り返し起こった
海側の地震により沈下して形成された
地震平野のようです。
広域的地盤沈下の問題は、
実は、おやじのプロフィールでも
触れていますが、卒研のテーマでした。
地盤沈下対策のひとつとして、
「汲み上げた地下水は地下に戻せるか」
ということで、
試験井戸の長期揚水試験をやっていた時に、
井戸周りの地盤が数十センチ沈下しました。
当時はこれが沈下現象かと
騒いだのですが、原因は違っていて、
井戸が新設されたばかりで、
防砂のために井戸周りに充填した砂利が
まだ落ち着いていなかったために、
砂利が締って、周囲の地盤が下がったこと
が原因でした。
地下水利用の歴史には、
過去に(昭和30~40年代に)
過剰な大量揚水により、
大都市を中心とした全国各地の
海岸平野で地盤の沈下という公害を
引き起こした歴史があります。
沈下が始まったのは、
明治時代までさかのぼりますが、
当初は、地殻変動が原因と
思われていたこともありました。
その後の研究で、
地下水の過剰揚水が原因である
ことがわかりました。
特に水をよく使う工業用水
の大量取水が原因でした。
海岸平野の地質は軟弱な
地層が厚く堆積しているので、
地下水の汲み上げにより、
砂礫層などの帯水層の水位
(圧力)が低下して、
軟弱な粘土層の中の水が
絞り出されて収縮したことで、
地盤が沈下しました。
この現象を簡単に図に表すと
次のようになります。
工業用水は
日本の高度経済成長の過程で、
必要とされましたが、当時、
その水源を確保するのに、
表流水(河川水、湖沼水)は
農業用水として水利権が
存在していた為に利用できず、
ダムを作って工業用水道の
整備も進められていましたが、
莫大な費用と時間がかかることから、
安価な地下水を取水する
ようになりました。
その後、地盤沈下地域で、
「工業用水法等」の法律や条例等による
地下水の揚水規制が行われるようになり、
現在では、地盤沈下は沈静化しています。
国土交通省の「水資源」ホームページ
にも記載されていますが、
東京では揚水規制の効果が顕著であり、
1960年代に比べ地下水位が
約20m回復しています。
そのため、地下水位が低い当時に
建設された建築物の基礎が
不安定になるなど、
地下水位の回復に伴った新たな問題も
生じてくるようになっています。
代表的地域の地盤沈下の経年変化
(国土交通省「水資源」ホームページより引用)
過去の過ちを繰り返さないために、
地下水の適正な利用が必要です。
地下水の管理は、
地下水位を観測・管理する
ことによって出来るので、
地域の許容地下水位を決め、
これを守ることです。
すでに埼玉県では
観測井水位管理システム
が作られています。
合わせて、自然の水循環を
維持する努力が欠かせません。
雨が降って川となり海に注がれ、
蒸発して雲となり、再び雨となる。
地下水は降った雨の一部が、
地下に浸透して供給を受けています。
地下水は
地表付近の水を下から支える
ベースとなる底の水と考えられ、
地下水の浸透を促す
上流側の森林の保護育成、
水使用の削減・合理化、リサイクル
に努めていくことが望まれています。
社団法人全国地質調査業協会連合会の
事業の中でまとめられた西垣誠監修・
共生型地下水技術活用研究会編 、
共生型地下水適正利用ガイドライン
(2010) [地下水と上手につき合うために]
のパンフレットの表紙を以下に
紹介しておきたいと思います。
この図のイメージを常に持っていること
が大事であると思っています。
よく使われてきた言葉で
「湯水のごとく」と言われますが、
「アラブ(砂漠)ではケチケチ」、
「日本ではジャブジャブ」
と解釈されるそうです。
地下水は循環型資源です。
持続可能な水利用の確保に向けて、
当社は今後とも努力してまいります。
どうでしょう?
今回は少しまじめに
終わらせていただきます。
すみませんが、訳あって、
いつものすすきの情報(写真)?
は載せることができません。
復活の許可が下りるとよいのですが。
今回もお読みいただき
ありがとうございました。
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いつでも ご連絡ください。
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それでは次回もお楽しみに~♪(゚▽^*)ノ⌒☆
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