こんにちは、ホーチミン在住、Yoshiです。
現在、ジャカルタに出張で滞在しています。
ジャカルタは現在雨季の真っ最中
毎日雨が降ります。
統計によると、
1,2月は平均300㎜/月の降水量が記録されています。
南側の丘陵地を頂点として
北方に広がる緩い扇状地性平野上に
大都市ジャカルタは位置しています。
扇状地は河川の流路を変えながら発達し、
昔川の流路だった場所(旧河道)が
一段低い低地となって残っています。
雨季に激しい雨が降ると、
そうした低地部分を中心に雨水が集まり、
たちまち浸水してしまいます。
この写真は通勤途中に道路で撮影した風景です。
警備員が看板の横で、車両の通行を規制しています。
"BANSIR"というのは、
インドネシア語で「洪水」を意味します。
こうなると、道路網が混乱し瞬く間に渋滞の列が伸びていきます。
"BANSIR(洪水)"の看板が作られるほど、
頻繁に浸水被害が発生することが推測されます。
インドネシアは洪水も多いし、
地震・火山もあるし、
自然災害の多い国というのが印象ですが、
果たして他国と比べてどうなのでしょうか?
そこで、今回はASEAN諸国の「災害リスク」を調べてみました。
国連内に
「国際災害削減イニシアティブ(UNISDR)」
という組織があります。
そこがとりまとめたレポートから、
ASEANの災害リスクを読み解いてみたいと思います。
ASEAN諸国の自然災害のうち、
人的被害が最も多いのは、
サイクロン・台風などの熱帯低気圧による影響です。
その後、津浪、地震、洪水、土砂災害、干ばつ、火山噴火、森林火災と続きます。
ちなみに過去40年間に、1211の自然災害が記録され、
死者は41万人に達しています。
災害の数が最も多いのは、
「洪水(36%)」
で、続いて
「サイクロン・台風(32%)」、
「地震(9%)」
「土砂災害(7%)」
の順になっています。
死者数が最も多いのは
サイクロン・台風(18万人)
その後は
「地震(11万人)」
「津浪(8万人)」
です。
ところで、自然災害による被害は、
「自然災害自体の大きさ」とともに
「災害への予防措置、低減措置」が
どれくらい進んでいるか?
といった御国事情も関係してきます。
このレポート中では
「社会的脆弱性(Social Vulnerability)」
という指標で、
国ごとの災害への脆弱性をランキングしています。
ちなみに、この指標は
「災害により1年間、百万人あたりに何人の死者が出るか?」
という統計値に基づき算定されています。
ASEAN諸国の中で、災害に脆弱な国ランキングは以下の通りです。
1位:ミャンマー
2位インドネシア
3位フィリピン
4位タイ
5位ベトナム
ミャンマーはサイクロン・台風の影響が大きいのですが、
社会基盤がそもそも十分に整備されていないため、
他国に比べて影響が大きくなるものと考えられます。
2位のインドネシア、3位のフィリピンは
ともに"Ring of Fire"上にありますので、
こちらは自然災害自体が大きいことが主要因かもしれません。
「災害」というフィルタを通してみることで、
違った視点で国ごとの実情が見えてくる気がします。
また、ビジネスの立地を考えるとき、
BCPの観点で重要な視点かもしれません。
ちなみに国別の主な災害は以下の通り。
カンボジア:洪水、干ばつ
インドネシア:森林火災、地震、津浪、洪水、火山噴火、干ばつ、土砂災害
ラオス:サイクロン・台風、洪水
マレーシア:洪水、森林火災、津浪、サイクロン・台風
ミャンマー:サイクロン・台風
フィリピン:サイクロン・台風、洪水、地震、火山噴火、干ばつ、土砂災害
タイ:洪水、津浪、サイクロン・台風、干ばつ
ベトナム:サイクロン・台風、洪水、干ばつ、土砂災害
以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。
ASEANの「土」「水」「建物」に関するお問い合わせはこちらから!
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 |