こんにちは、シンガポール在住、Yoshiです。
熊本地震から1か月が過ぎてなお余震が収まらず、
被災地の方々は大変な思いをされています。
心よりお見舞い申し上げます。
さて、熊本地震では
防災拠点の庁舎・学校などの施設が、
損傷を受けたケースが目立ちます。
そうした被害を受け、全国各地自治体で
にわかに防災拠点の耐震化の現状が
検証されています。
自治体の財政が厳しさを増す中、
住民の安全・安心をどのように守るか、
災害が起きたとき、
速やかなに行政サービスを復帰するために
どんな対策をとるべきか
難しい判断を迫られています。
前回のブログで書いたように
経済成長著しいバングラデッシュ
の首都ダッカは、高い地震リスク
が認識されています。
しかし地震に対して安全な建物が必要と
わかっていても、
明日の生活を生き抜くために精一杯で、
いつ来るか分からない地震に備えて、
建物の安全化を図るところには
どうしても手が回っていないのが現状です。
同様のことは、フィリピンの首都マニラでも見られます。
マニラを中核としたマニラ大首都圏(メトロマニラ)には
1000万人以上が生活しています。
一方で、地震・火山・台風などの
自然災害が多い国でも知られます。
1990年から2006年間にフィリピンで
発生した地震をプロットすると下の図のようになります。
震源の〇印で埋め尽くされ、いかに地震が多いかわかりますね。
メトロマニラに目を凝らしてみると、
マニラ市街地の東方には、
西バレー断層と呼ばれる活断層があり
マグニチュード7クラスの地震発生が
想定されています。
学校や病院など、人が集まる公共施設
では、建物の耐震性を確保するため、
耐震基準の適用はもちろんのこと
建物の耐震性評価および耐震化の
ガイドラインが作成されています。
ある研究によると、マニラにある学校(約3800校)
のうち、200校の建物では、想定される地震によって
建物の大きく損傷するため、
生徒の1/4が亡くなる、と報告しています。
そのような大きな被害が想定される一つの要因として、
建物の品質の低さが挙げられます。
フィリピンをはじめ東南アジアの
低~中層建物に良くみられるのは、
柱・床・天井は鉄筋コンクリートで
壁がブロックやレンガ造りの建物です。
この壁は、地震がくると簡単に崩れてしまいます。
マニラでも例にもれず、このような建物が多く建てられています。
その上、鉄筋コンクリートの品質も問題があります。
コンクリートの強度不足や、
地震への抵抗に重要な役目を果たす
鉄筋の配置や接続の仕方も十分ではない
建物が多くみられます。
地震に対して脆弱な200校の耐震化を図るには、
1000億円弱が必要とのこと。
国家的1大事業となります。
新しい大統領のもと、フィリピン政府が
この問題にどのように取り組んでいくのか、
しっかりと見守っていきたいと思います。
以上、今回は「フィリピン・マニラの建物と地震」でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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